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「4-4-2 ダイアモンド型」解説 ~ お手本はリーベル・プレイト
Oct. 13, 2005
442diamond


ワールドカップ予選や親善試合等で各国代表悲喜こもごもの今週だったが、これらについて書く前に、今日は「4-4-2 ダイアモンド型」(図)についての話をしよう。

「4-4-2 フラット」との違いは、言うまでも無く、セントラルMFのひとりに、攻撃的役割が明確に与えられている、という点である。このアタッキングMFは、「トップ下」としてボールを収め供給するだけでは失格で、常に「シュート」をプレイの選択肢のひとつとして持つアタッカーでなければならない。

このシステムの最大の利点は、攻撃時にいつでも3トップになれる、という事だ。1.5列目真ん中にアタッカーがいるので、両フォワードは左右に大きく張ることが出来る。つまり、両FWは前線真ん中でつっ立っている電柱タイプでは駄目だ。ウィングに流れて、ファーサイドのもう1人のFWかニアサイドマイナス方向に正確なクロスを入れられるプロヴァイダーでもある必要が有る。

さて、この「4-4-2 ダイアモンド」のお手本となるチームはどこかと言えば、それはリーベル・プレイト (*注)である。

Lux


Nasuti
Tuzzio

Garcé
Miranda


Mascherano

(Coudet)
L. González

Sambueza

Gallardo


M. López
Cavenaghi


上記フォーメーションは、リーグ優勝を果たしたクラウスーラ(=後期)2004での一例である。

攻撃のポイントはもちろんマルセロ・ガジャルド Marcelo Gallardo 。テクニックと突破力に加えて、強烈なシュート力を持つ生っ粋の攻撃的MFである。右サイドハーフのルイス “ルチョ”・ゴンサーレスは積極的に中に入って来てミドルシュートも撃つ選手なので、ガジャルドは右ウィンガーにも変貌する。右サイドにコウデが入った場合、この銀髪のMFはウィングを果敢に抉って、弾道の低く力強いクロスを入れて来るので、ガジャルドは1.5列目で待つ。左のサンブエサとの連携も同様。2トップのマクシ・ロペスとカベナギは、これらの状況に合わせて逆サイドに張ったり、トップ下位置に下がったりする。これら前線の動きに両サイドバックが絡むことにより、多様なサイド攻撃が可能。各選手の個人技と直感とスピードを活かしつつも統制の取れた組織的攻撃力、というのがリーベルの魅力である。これらのメンバーに加えて、ガジャルドのリプレイスにはダニエル・モンテネグロ、FW陣にマルセロ・サラス、ホセ・サンド、ネルソン・クエバスを擁したこのシーズンのリーベルは、強かったなぁ。楽しかったなぁ。

反面、カウンターを食らった際の守備時には中盤横方向の人口密度が薄いのが弱点となりがちだが、ここで活躍するのがアルゼンチンきっての「ボランテ・デフェンシーボ」、ハビエル・マスチェラーノである。攻撃時にも低い位置をキープしつつ守備に対応し、素晴らしいスピードと運動量とフィジカルで相手を潰しまくる。アルゼンチン名物の爆走ドリブラー達を持ってしても、マスチェラーノの壁を突破することは難しい。

つまり、「4-4-2ダイアモンド」を成功させる為には、真の攻撃的MFと同様、いやそれ以上に、強力な守備的MFが必要なのである。


*注:“River Plate” は「ラ・プラタ川」を意味する英語だが、このブエノス・アイレスの名門クラブチームのことを現地の人が呼ぶ場合、何故か “River” をスペイン語読みで、“Plate” を英語読みで発音する。よって、このクラブチーム名の適切なカタカナ表記は、「リバープレート」ではない。