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「青色LED」~ 制作者を尊重しない企業
Feb. 3, 2004
あおいろLED


青色LEDの発明対価200億円支払い命令」。すごいな。レジェスの移籍金どころの騒ぎじゃない。経済同友会の代表はこの判決を「異常だ」と言い放ち、「ボーナスとして報いるとか昇給、ストックオプションなどで対応できる」と言っているらしいが、会社が当時そういう風に「対応」しなかったから今こういうことになってるんだろ。会社の利益は1兆円を超えてるそうだぞ。200億円なんて、そのたった2%じゃないか。

それにしても、「理系」はいいなあ。会社員が会社の為に研究開発しても、ちゃんとノーベル賞とか200億円とかもらえて。私の居た会社なんてね、誰にも出来なかった企画や演出やっても、得たものは「信頼」と「褒め言葉」だけだったよ。アイディアは全部会社に持って行かれてね。まあ辞めた会社と別れた女の悪口はなるべくなら言いたくないがね。「私が見つけてきた技術系業者と一緒に私が初めて開発実現し、初めてテレビ番組に導入した演出手法とコンテンツCGグラフィックまでも、私に何の挨拶もなくかっさらって新番組『ポップジャム』で使うとは、いったいどういう了見ですか?」と当時当番組のAP(あの会社では「デスク」と呼ぶ)に尋ねたところ、「キミに著作権はないだろう。キミがやらなくても、誰かがいずれやってたよ」とほざきやがった。あん時ゃ、キレたね。

というようなボヤキはさておき、「LED」とは、発光ダイオードのことだ。ツェッペリンとはとくに関係ない。赤色LEDと緑色LEDは昔からあったが、青色LEDが発明されたことで光の3原色が揃い、LEDでフルカラーの映写が可能になった、というわけだ。

この発明は、ステージ演出にも大きな変革をもたらした。最近のライブコンサートでは当たり前となった、巨大スクリーン、あるでしょ。あれって昔は、ブラウン管で出来たマルチディスプレイ(枠の無いテレビみたいなもの)を積み上げるか、投射型のスクリーン(映画館のスクリーンみたいなもの)を使うかしかなかった。マルチは重量、厚みともに凄くて、調整にも時間がかかった。投射型は、輝度が足りず、テレビカメラを通した時には暗くてぼやけた。それでも私たちはそういうものを使って、なんとか新しい舞台セットを作り出そうと、苦労していたわけだ。ところが、青色LEDが発明されたおかげで、軽量・薄型・低コスト・低消費電力・高輝度なフルカラー巨大スクリーンの設計が可能となった。今、音楽ステージなんかで使われているのは、ほとんどがLEDスクリーンなんだよ。

ステージの背景に巨大スクリーンを設営し、そこにアーティストの映像を大映しにする、っていう使われ方はよく見かけるけど、私なら全く別の使い方をする。この演出は、アリーナ級の大会場でやるとすごく効果的だと思うよ。どういうアイディアかと言うと・・・おっと、こんなところに書くとまた誰かにかっさらわれるな。あぶないあぶない。秘密秘密。知りたい舞台制作関係者の方がいたら、メールでご連絡下さい。